アピール
拘束された5人に勇気をもらって、
厭戦パワーで戦争屋の弾圧をはねかえそう!

 本来ならば喜びと祝福に包まれるはずの解放が、誹謗と中傷によって迎えられることになってしまったことに、私たちは衝撃をうけました。そして、拘束された皆さんと家族の方々のつらさを思うと、このあまりの理不尽さに悔しさと憤りを覚えました。
 「勧告を無視した身勝手な行動」とか「迷惑をかけた自覚がない」などという政治家の発言にはじまり、マスコミの宣伝によって、それは、またたくまに拘束された方々の「自己責任」を問うような声へと広がっていきました。そして、身内を人質にとられた者としてはあたりまえの要求である「自衛隊の撤退」を訴えた家族に対しても、非難がむけられました。
 しかし、このように被害者であるはずの人々を、あたかも加害者であるかのようにすりかえて攻撃する。こんなことが許されていいのでしょうか。特に、はじめに解放された3人の方々が元気を失い、体調を崩されたのは、むしろ解放後のこうした仕打ちによるものではないでしょうか。この強い非難によって、当初3人は口を封じられたのだとしか思えません。
 「お上」の言うとおりにせず、「お上」に負担をかける者はけしからんとて非難し排除する。そのような空気が熱狂・興奮をともなって膨らんでいく。これはファシズムではないでしょうか。「人質は反日的分子」というような議員の発言にいたっては、戦前の「非国民狩り」までも彷彿ととさせます。
 「ナホコ戻ってきて」と、心からの言葉を発するストリート・チルドレン。劣化ウラン弾による被害で白血病棟に横たわる子どもたち。「ファルージャで米軍がやっていることを伝えてくれ」と必死に訴える人たち。そして「外国の軍隊はいらない」という多くの声。いったい誰がイラク人から必要とされ、誰がイラクから立ち去るべきか、これはあまりにあきらかです。
 だからこそ5人の方々は、それぞれの立場から、それこそ自己責任を感じて、身の危険をおしてイラクに入ったのではないでしょうか。それは決して軽はずみな行動などでないことは明らかです。
 そしてこのように政府や自衛隊とは違う立場から、イラク人に対する愛情と真実を伝えたいという信念に基づいて行動していたことが、拘束したグループにも理解された。だからこそ、5人の方々は解放されたのだと思います。それにはまた、家族の方々が「自衛隊の撤退」を真正面から訴えて、それに応えて多くの人々が声をあげていったことが大きな助けになったのだと、私たちは信じています。
 にもかかわらず、政府や一部のマスコミが、拘束された5人とその家族に攻撃の矛先を向けるのはなぜなのでしょうか。イラク、特にファルージャでの米軍による虐殺の真実。一部の武装ゲリラだけでなく住民がひとつになって占領軍と戦っているという事実。イラク人たちが自衛隊についても強い反感をもっていること。これらが5人の解放とともに衝撃的に明らかにされることによって、「自衛隊撤退」の声がさらに大きくなり、スペインのような状況に追い込まれることを、政府は恐れたのではないでしょうか。だからこそこの逆境を、「自衛隊撤退」の声を押しつぶす方向に大逆転させるために、5人の方々をスケープ・ゴートにした一大非難のキャンペーンを開始していったのだと、私たちは考えます。
 その意味で私たちは、拘束された5人とその家族への誹謗・中傷を、この方々に対するものとのみとらえるわけにはいきません。米軍による占領の終結と自衛隊撤退を訴える私たち全体に対するものとしてうけとめて、一緒にこれをはねのけていきたいと思います。そして5人の皆さんが再び活動に戻れるような状況を切り開いていきたいと思います。
 自衛隊は今すぐ撤退を! 米軍はイラク人拘束・虐殺をやめよ! 占領を終わらせ、イラクに真実の平和を!」


2004年5月2日 第4回総会にて
戦争屋にだまされない厭戦庶民の会 総会参加者一同